12球団ドラフトクジ運ランキング~もっともクジ運のいい球団はどこだ~

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12球団ドラフトクジ運ランキング

2022年のドラフト会議が間近ですが、過去に別のサイトに掲載したプロ野球12球団のドラフトクジ運ランキングを再調査したいと思います。
対象は現在の制度になった2008年から2021年までの14回のドラフトで、1巡目の1回目の抽選(本抽選)のみです。(外れ1位も含めたクジ運は後述します)

クジ運の決め方

同じクジでも競合球団数が2球団と7球団では当たりやすさがかわってくるので、期待値を考慮したいと思います。
例えば、2球団競合のクジなら交渉権を引き当てる確率(=期待値)は1/2(0.5)となります。

それを踏まえてクジ運を以下のように定義します。
  クジ運=当たりくじの数/期待値×100

下記の具体例で考えてみましょう。

球団Aは4年連続でドラフト1巡目が2球団競合となりました。この時の4年分の期待値は
  期待値 = 0.5 × 4年 = 2
となります。当たる確率が半分なのだから、4回引けば2回は当たるだろうという考え方ですね。

球団Aが4年間で引いた当たりくじの数が1本だけだとすると、
  クジ運 = 当たりくじの数/期待値×100
      = 1 / 2 × 100 = 50

となります。期待値通りに当たりくじを引けていればクジ運は100になりますので、球団Aは運が悪いといえます。

同様に以下の球団Bについても見てみましょう。

球団Bは球団Aと同様に4年間で当たりくじは1回しか引けていませんが、競合球団の数が球団Aよりも多いため、期待値は0.84と少なくなっています。球団Bのクジ運を計算すると、

  クジ運 = 当たりくじの数/期待値×100
      = 1 / 0.84 × 100 ≒ 119

となり、期待値よりも少し運が良いということができるのです。

前置きが長くなりましたが、実在する12球団のクジ運について、同様に計算しましたので、ランキング形式で発表したいと思います。

球団別ランキング

12位

最下位は東京ヤクルトスワローズです。クジ運は期待値を大きく下回る28で、外れクジ11回も12球団ワーストです。
しかし当たりの1回で将来のエース候補奥川恭伸投手を引き当てている上、外れ1位の山田哲人選手は3度のトリプルスリー達成、村上宗隆選手は令和初の3冠王に輝くなど、育成でカバーしセ2連覇を達成しました。


11位

11位は読売ジャイアンツです。クジ運34とこちらもヤクルトに負けず劣らずの運の悪さを示しています。なんと2008年に大田泰示選手を引き当てて以来8回連続で外れクジです。
しかし長野久義選手、澤村拓一投手、菅野智之投手、岡本和真選手といった主力級を一本釣りできたほか、戦力はFAで補強するというチーム方針のため、ドラフトの運の悪さはあまり気にしていないといった感じでしょうか。


10位

10位はオリックスバファローズです。クジ運は期待値の約半分、48となりました。当たりくじも2球団競合の田嶋大樹投手だけと寂しい状況です。(田嶋投手も19年ぶりの当たりくじだったのですが…)
しかし吉田正尚選手、山岡泰輔投手を一本釣りできたほか、安達了一選手や宮城大弥投手も外れ1位で獲得しており、しっかりとチームを強化、パリーグ連覇につなげています。ちなみに2008年の甲斐拓哉さんは投手で、ソフトバンクホークスの甲斐拓也捕手とは関係ありません。


9位

9位は横浜DeNAベイスターズです。クジ運は66となりました。当たりくじは2008年松本啓二朗選手と2021年の小園健太投手、いずれも阪神と2球団競合の末交渉権を獲得しました。
クジ運は比較的悪いですが、筒香嘉智選手を一本釣りしたり、2015年から2018年まで、外れ1位は含みますが今永昇太投手、濱口遥大投手、東克樹投手、上茶谷大河投手と即戦力投手を獲得し、ドラフト巧者の印象があります。

ここまでの4球団がはっきりとドラフト運が悪いと言えるチームです。在京セ・リーグ3球団が入ってしまいました。パ・リーグはオリックスだけしかランクインしていません。やはりパ・リーグのほうがクジ運がいいのでしょうか…


8位

8位は阪神タイガースです。クジ運はやや悪い81となりました。またセ・リーグが出てしまいましたね。しかし阪神は藤浪晋太郎投手、佐藤輝明選手と4球団競合を2回引き当てています。単独指名には大山悠輔選手、外れ1位にも岩貞祐太投手や近本光司選手がいるなど、失敗と言えるドラフトは少ないと思います。


7位

7位は東北楽天ゴールデンイーグルスです。クジ運は期待値を上回る104となりました!ここからは運のよいチームになります。
楽天は2013年5球団競合の松井裕樹投手、2020年4球団競合の早川隆久投手を引き当てるなど、いい投手を獲得する印象が強いです。表には掲載されていませんが、分離ドラフト時の2006年高校1巡目でも4球団競合した田中将大投手を引き当てていますね。


6位

6位は福岡ソフトバンクホークスです。クジ運は107となりました。2012年東浜巨投手、2015年高橋純平投手は3球団競合、そして2016年田中正義投手を5球団競合の末に引き当てています。
しかし最多勝を獲得した東浜投手以外はそこまで戦力になれていないのが現状です。ドラフト1位に頼らなくても、育成力を武器にして戦力を築き上げるのが得意なチームだと思います。


5位

5位は広島東洋カープです。クジ運は122となりました。2013年の大瀬良大地投手、2018年の小園海斗選手が1軍の戦力になっているだけでなく、今村猛投手、野村祐輔投手、岡田明丈投手、森下暢仁投手、栗林良吏投手と一本釣りに成功した投手がことごとく好成績を挙げているのがこのチームの特徴です。育成力の良さが垣間見えますね。


4位

4位は埼玉西武ライオンズです。クジ運は156.5ですが、小数点表記になっているのは次のチームと僅差となったためです。ここからははっきりとクジ運の強いチームということができます。
2年連続で6球団競合を引き当てた2009年菊池雄星投手、2010年大石達也投手の印象が強いですが、単独指名に成功した森友哉捕手、高橋光成投手、多和田真三郎投手、今井達也投手、松本航投手についてもしっかりと実績を残しています。


3位

3位は北海道日本ハムファイターズです。クジ運は157.3と僅差でライオンズを上回りました。クジで4人の獲得に成功していますが、斎藤佑樹投手はすでに引退、菅野智之投手は入団拒否、有原航平投手はメジャー挑戦のためすでにチームを去りました。今年清宮幸太郎選手に覚醒の兆しが見えたのは幸いですね。


2位

2位は中日ドラゴンズです。クジ運は160とセ・リーグで最も幸運の持ち主となりました。獲得した5人のうち高橋周平選手、柳裕也投手はすでに実績を残していますが、根尾昂選手、石川昂弥選手もこれからに期待です。


1位

1位は千葉ロッテマリーンズです。クジ運は166でした。石川歩投手はもちろん、藤原恭大選手、佐々木朗希投手もこれからチームの顔になりうる存在です。
さらにロッテのすごいところは外れ1位(2回目)の抽選なんですよね…詳しくは後述します。


球団別ランキングまとめ

球団別のクジ運ランキングについて、以下の表にまとめました。

やはりパ・リーグのほうが運がいい傾向にあります。この状況でもリーグ連覇したオリックスはすごい!セ・リーグは中日が頑張っていますね。


セ・パ競合の抽選結果

さて、ここからはセ・リーグとパ・リーグが抽選で競合した場合、どちらのリーグが交渉権を獲得したかに焦点を当ててみたいと思います。
2008~2021年のドラフト1巡目1回目の抽選35回のうち、セ・パ競合となったのは以下の25回です。

交渉権を獲得できたのはセ・リーグが8回、パ・リーグが17回とダブルスコアでパ・リーグの勝利となりました。クジ運もセ68、パ129とほぼ倍になっています。特に2013~2017年はパが全勝しており、交流戦のパ・リーグ優勢の遠因になっている可能性があります。対するセ・リーグも2018年以降は当たりくじを引けるようになってきています。今年のドラフトも注目ですね!

パ・リーグをチーム別にみると、オリックスは6連敗ですが他の5球団は当たりくじを3~4回引いています。これはつらいですね…
セ・リーグはヤクルトが9連敗、ベイスターズが6連敗するなど総じてセ・パ競合のくじに弱いですが、唯一中日だけは好成績をあげています。


外れ1位も含める場合

これまでドラフト1巡目の1回目抽選のみに焦点をあてていましたが、2回目以降の抽選(外れ1位や外れ外れ1位の抽選)のクジ運はどうなっているのでしょうか。

球団別ランキングまとめ(2回目以降の抽選)

2回目以降の抽選は何とロッテがまたしても1位、しかも全勝です。2016年佐々木千隼投手を5球団競合の末に引き当てたのは記憶に新しいですね。
また、1回目抽選ランキングでは最下位だったヤクルトが2回目以降では6位になりました。山田哲人選手、村上宗隆選手を抽選で引き当て、チームの中心選手に育てています。
オリックスは2回目以降もクジ運が弱いです…


セ・パ競合の抽選結果(2回目以降)

2回目以降の抽選についても、セ・パ競合となった場合を考えます。交渉権を獲得できたのはセ・リーグが7回、パ・リーグが8回とこちらはほぼ互角となりました。


球団別ランキングまとめ(外れ1位も含む)

最後に外れ1位を含むドラフト1巡目抽選のクジ運ランキングについてまとめましたのでご参照ください。ロッテの強さ、そして巨人、オリックスの弱さが目立ちますね。

今回の企画「12球団ドラフトクジ運ランキング」お楽しみいただけましたでしょうか。ご意見やご感想、ご指摘等がありましたらコメント欄より送信ください。皆様のコメントお待ちしております。

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